今後の展開

マルチ・ヒーター、マルチ・センサー

ホットエンドは1ヒーター、1温度センサーが理想的な内部温度分布(均一)を実現しているとは必ずしも言えない。射出速度によっても温度分布の変動が予測される。想定される望ましい温度分布を下図に示す。

 

まずフィラメントの導入部はフィラメントの熱変形を防ぐためにTg(ガラス転移点)以下の温度が望ましい。樹脂の溶融部では粘度が下がり、流動の抵抗が低いことが望ましい。ノズル部では造形品質を保ちながら層間の結合力を保つ温度に設定する必要がある。

当社のホットエンドは複数のヒーターと測温抵抗体を搭載することも可能であり、2ヒーター、3温度センサーを搭載した構造を試作している。

断熱バレルによりフィラメント流路から上への伝熱を抑制し、導入部でのフィラメント樹脂の軟化を防止する。加熱板の面上では複数のヒーターと測温抵抗体を用いることで高速な造形が必要が場合でも個別にヒーターを駆動制御できる。上部での温度低下を抑制し、流路内上部の粘度上昇、流路抵抗の増大、フィラメント送り不良を防止することができる。また、ノズル近傍でのフィラメント流動性を制御できれば、過度の樹脂流動で造形形状を損ねることなく、層間の結合力も確保することができる。

結果として、高速高温造形においても安定した形状と強度の高い造形物が得られると考えられる。

 

マルチ・ノズル